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水雲風

とりあえず人生を記録と妄想の吐き出しの地

映画「ロングエンゲージメント」(2005/08/25)



公式ホームページ


フランス人の女性マチルドは、婚約者のマネクが第一次世界大戦で
死んだという知らせを受ける。
しかし、マチルドはまだ彼との運命の糸は切れていないという直観を信じ、
真実を求めて行動する。

大好きな映画です。
始めに映画館に観に行った時は衝撃を受けました。
この映画は数年に一度の傑作だと思っています。
今まで3度ほど見ていますが、全部泣いてしまいました。

この映画を見る前は、第一次世界大戦というものが、
遠い過去の出来事な気がしていました。
第一次大戦を読んだり、
特集番組で映像で見たりはしていたのですが、
実際の感じが想像できていませんでした。

第一次世界大戦は、陸上ではヨーロッパ中にはりめぐらされた
塹壕での戦いだと思います。
塹壕は機関銃による防衛で簡単にはくずせなく、
例え奪取しても塹壕の両サイドから攻撃を受け奪い返される
という膠着した状況が生まれ、
劣悪な塹壕の環境と敵の砲撃や襲撃という地獄の中で、
兵士達は戦いました。
この映画ではその感じがストーリーにしっかりとからみ
良く出せていると思います。
塹壕にあるようなエピソードがうまく使われています。

また、この映画は第一次世界大戦を忠実に表現しているだけではなく、
戦争の真理を描いていると思います。
この映画で、戦争によって登場人物のほとんどが不幸を負います。
登場人物のセリフで「金持ちが大砲を売り、貧乏人が死ぬ」が
ありますが、これは戦争の真理の一つだと思います。

それにしてもフランス映画の画面の色彩の美しさや
カメラワークの妙は芸術的ですばらしいです。
馬車から牧草が飛び散るシーンなんかは特に美しいと思いました。
また、塹壕後が美しい草原になっているところは、
恐ろしい戦争の出来事と対比されて良かったです。

人物描写も好きです。
アメリでも思いましたが、
人をコミカルに、癖などを強調して描いているのに、
リアルで生き生きと描かれているのが凄いと思います。
出てくる登場人物はみんなが魅力的で共感できます。
悪者役のデブ将軍だってあんなに欲望に忠実だったら
楽しいだろうなと憎めません。

この作品では、登場人物は欠点もあるけれども、
一面では尊敬すべきものを持っている人達ばかりだと思います。
マチルドは一見すると恋人の死を信じたくない夢見がちな女性
にうつりますが、私は自分でとにかく調べ納得しなければ
ものごとを判断しない賢い女性だと思います。
映画の途中で、調査によって彼の死が確実かと思われたときに、
運命の糸が切れてしまったと嘆いているのは、
決して彼女が無根拠で妄想的な運命の糸を信じているわけではないことを表していると思います。
不可解な彼の死を、何が起きたかを知るまで信じず
エンディングまで辿り着いた彼女の愛と知性は凄いと思います。

他の人も好きなのですが、
戦争の真実を知りながら口下手でそれを伝えられず、
漢らしく立ちションをして死んだシ・スーが一番好きでした。
若いドイツ兵が殺されるのを見て戦争から逃げ出そうとした
というエピソードは彼の優しさを表していると思います。
この不器用で賢くて優しい人物が無惨に死んでしまったのが悲しかった。

この作品は話の筋を追うのが難しいです。
というか、今でもよくわかってなかったりします。
最初に見たときは特に囚人の5人の兵士が誰だかわかりませんでした。
しかし、決して理解できない難しさではないし、
話の核となる部分は最初で理解できました。
最初で厳密にはわからなくても概要は掴めるし、テーマはしっかりと読み取れます。

アメリカ映画とはテンポも雰囲気も異なるので、
ハリウッドの超大作に慣れ切った人には向かない作品かも知れません。
明解なラブストーリーを求める人にも向かないでしょう。
戦争、それって関係ないでしょと思ってる人にもそうでしょう。

でも自分にとっては大変好きな作品でした。



05/10/05追記

この映画は表現は、人の性格を誇張して表現するなど
演劇的な表現をしていますが、
その表現は現実を線形変換したもの・現実に比例する表現であり、
決して現実と剥離した表現ではないと思います。
むしろ現実を良く表していると思います。

そういう表現は漫画「柳沢教授の生活」と似たものだと思います。
そして、それは、慣れていないとなじめない表現かもしれません。

今まで何人かにこの作品を見せましたが、
感想としては、批判はしないが納得できないという感じの
感想が多いように思いました。
表現としての慣れがないと共感して見れない作品なのかもしれません。
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  1. 2005/08/25(木) 14:47:06|
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