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水雲風

とりあえず人生を記録と妄想の吐き出しの地

書籍「図説 金枝篇」(2010/11/13)

「図説 金枝篇」を読みました。
「金枝篇」は1900年ごろに書かれた本で未開社会の神話・呪術・信仰に関する集成的研究書です。
「図説 金枝篇」は全13巻の大著の「金枝篇」を簡易にまとめた本です。
久しぶりにもの凄く興味深くておもしろい本でした。

■金枝

金枝とは古代ローマの伝説で、以下のような内容だそうです。
イタリアのネミの聖所では逃亡奴隷だけが就ける「森の王」という祭司がいた。
「森の王」になるためには2つの条件が必要だった。
1つは金枝(ヤドリギ)を手折ることと、もう1つは現在の「森の王」を殺すこと。

「金枝編」では、なぜ「森の王」は殺されなければならなかったのか、
また、なぜ金枝は手折られなければならなかったのかを多量の慣習の例から明らかにしようとします。


■昔の人の考え方

この本を読むと昔の人の考え方を想像できておもしろいです。
本にも書いてありますが、一見非合理でも当時の合理的な推論に基づく知識体系を持っていたと感じられます。

現代の人もベースの考え方はあまり変わっていないようにも感じます。
私たちも都市伝説、血液型占い、北枕、初詣などなどを受け入れて生きてますよね。
そのような自分の無意識の部分を知るという意味で昔の人の考え方は興味深いです。


■共感呪術

本によると呪術は基本的に共感呪術に基づくそうです。
共感呪術は以下の類感呪術と感染呪術に分類できるそうです。

類感呪術
似たものはお互いに影響を与える。
感染呪術
一度接触したものや一緒だったものは離れてもお互いに影響を与える。
類感呪術とセットで用いられることが多い。

丑の刻参りは分かりやすい例ですね。
人形が類感呪術で、相手の髪の毛なんかを使うと感染呪術ですね。

「森の王」に関しては神であり自然をコントロールできると考えられていた存在だったようです。
ただ、共感呪術により「森の王」が自然に影響を与えるとも考えられた。
このため「森の王」が弱って自然が弱らないように、弱る前に殺してしまえというシステムだったということみたいですね。


■キリスト教との関係

本ではキリスト教のルーツを示していると思います。
明確にそうとは言っていないですがキリスト教の元となった慣習がいろいろと示唆されていると思います。
例えば、キリスト教の死と復活は「森の王」の考えてを元にしているといった感じですかね。

歴史には詳しくないですが、1900年頃というのは産業革命、市民革命などがあった後で時代の転換点だと思います。
そこら辺でキリスト教の影響力は薄れて行ったと思うのですが、この本もその一因となったのかなと思います。
1900年あたりでニーチェもいたりして、よってたかってキリスト教が弱体化させられたのかなと。


■神話、呪術、信仰の例

本には世界各地の神話、呪術、信仰の話が載っていてそれを見ているだけでおもしろいですね。
自分の身の回りの例と比較していろいろと想像してしまいます。
想像力を刺激されます。

例えば、てるてる坊主って一種の人形なのでもとは生け贄を使っていたのではないかとか思ってしまいますね。
反対に吊るすと雨を呼ぶというのは、共感呪術的に昔は水に関わる儀式があったんじゃないかとか。
少なくとも大元は天候をコントロールして農作物の出来を良くすることが目的の類の呪術だろうなと。

他にはいろいろなところで災厄を何かに転嫁するような慣習があるそうです。
キリストが全世界の罪を背負って処刑されたのもそんな慣習の延長上にありそうです。
そのような慣習の例を見ていると生け贄や実際の人間の追放といった例が結構あります。
日本で該当する慣習は節分の豆まきだと思うのですが、昔は鬼に実体があったんじゃないかなあとか思ってしまいます。



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  1. 2010/11/13(土) 21:35:27|
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